推しは“うちのこ” ── やまだあいこが描いた、かけがえのない存在のかたち
1. 「うちのこ」が見つかるデザインを目指して
イラストレーター・やまだあいこさんとの今回のコラボレーションは、一つのシンプルな想いから始まりました。
「〝うちのこ〟が見つかるように毛色を豊富にしたい。」
制作に入る前、やまださんが最初に決めたルールです。
犬や猫をモチーフにした作品は世の中に数多くあります。
しかし、その中で誰かが「これ、うちの子に似ている」と感じられる瞬間は意外と少ないのかもしれません。
やまださんが描こうとしたのは、特定の犬種や猫種ではなく、それぞれの家庭にいる“かけがえのない存在”の気配でした。
日常の何気ない瞬間に見せる表情。
言葉にはできない雰囲気。
ふとした仕草。
今回のデザインには、そんな「うちのこ」の輪郭がそっと込められています。
2. DELIGRAPHICSだから実現できたTシャツ
今回の制作で、やまださんが「いつもと違う」と感じたのは、
DELIGRAPHICSとのものづくりだからこそ実現できた表現でした。
特に印象的だったのは、刺繍加工の表現力と、手描きイラストの細かなニュアンスを再現する技術です。
「なかなかできない刺繍の加工や、手描きイラストの細部の再現性」
イラストは描いて終わりではありません。
Tシャツというプロダクトになる瞬間、線の強弱や空気感が失われてしまうこともあります。
今回、背面プリントを取り入れるかどうか迷う場面もあったそうですが、
最終的には作品そのものが持つ魅力を丁寧に伝える方向へ。
完成したTシャツは、強く主張する服というよりも、日常に自然と寄り添う服になりました。
そして、その胸元や袖口に宿る小さな存在たちは、着る人だけが知る“秘密の自慢”にもなっています。
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3. 愛せるかどうか、それがすべて
制作について話を伺う中で、やまださんの判断基準は驚くほど一貫していました。
アイデアを選ぶときも、他人の意見を受け取るときも、最後の決め手になるのは一つ。
「自分が愛情を持てるかどうか。」
一人で制作していると自己満足になってしまうこともある。
だからこそ誰かと作ることで、自分だけでは思いつかない視点に出会える。
その一方で、どれだけ多くの意見があっても、自分自身が愛せないものは選ばない。
その姿勢は作品の隅々に表れています。
完成したデザインを見たときに最初に浮かんだ感情も、とてもシンプルでした。
「うちのこかわいい。」
理屈ではなく、愛情が先にある。
それはペットを愛する人なら誰もが共感できる感覚かもしれません。
4. 観察する人だけが見つけられる表情
やまださん自身を形作っている「変えられない癖」は観察癖だといいます。
昔の作品を見返すと、今でも好きなのは細かな雰囲気や表情を捉えている部分。
一方で、少し恥ずかしく感じるのは描き込みすぎて余白を失っていたところ。
経験を重ねる中で、描くことだけでなく、描かないことの大切さも知ったのでしょう。
今回の制作を通して改めて気づいた自分らしさについて尋ねると、
「犬や猫のグッズは数多ありますが、他であまり見ない表情にできたかと思います。」
という答えが返ってきました。
確かに今回のイラストには、いわゆる“かわいい顔”だけではない魅力があります。
少しぼんやりしていたり、何かを考えていたり、こちらを見ているようで見ていなかったり。
その曖昧な瞬間こそ、家族として暮らしている人だけが知る本当の表情なのかもしれません。
5. 推しは“うちのこ”
アイデアに行き詰まったとき、やまださんは筆を置いて外へ出るそうです。
登山をする。
散歩をする。
自然の中を歩く。
そこで触れるのは、人間がコントロールできない無垢で純粋な美しさです。
風に揺れる木々や、自由気ままに過ごす動物たち。
そうした存在に触れるたび、インスピレーションが生まれるといいます。
今回のコラボレーションのキャッチコピーは、
「推しは〝うちのこ〟」
私たちはつい、遠くにいる誰かに憧れたり、特別な存在を探したりします。
でも本当は、毎日隣で眠り、何気ない顔でこちらを見つめてくれる存在こそ、誰よりも特別なのかもしれません。
このTシャツは、そんなかけがえのない存在を再確認するための一枚です。
ペットと暮らしている人も、そうでない人も。
着るたびに少しだけ温かい気持ちになれるように。
そして心の中で、こっそりこう思ってもらえたら嬉しいです。
「やっぱり、うちのこが一番だ。」





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