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飯村一輝【Vol.2】

飯村一輝【Vol.2】

チャンスは、準備している人にしか見えない

――フェンシング選手・飯村一輝 × DELIGRAPHICS コラボレーション・コラム Vol.2



■ 伝えたい言葉を、中心に置くという設計

今回のデザインで、飯村一輝が最初に決めていたことはシンプルだった。
「一番主張したいメッセージと、それを修飾する文章という構成にすること」

デザインから始めるのではなく、言葉から組み立てる。
中心にあるのは視覚ではなく、意味だ。

DELIGRAPHICSとしても、この構造は印象的だった。
一つの強いメッセージを軸に、その周囲に補助線のように言葉を配置する。
それはまるで、思考そのものを可視化していくようなプロセスだった。

今回のTシャツは、単なるグラフィックではない。
フェンシングという競技の中で培われた思考や価値観が、
「どう生きるか」を示す、小さな指針のような存在として設計されている。




■ 「Make it perfect」に込められた、もう一つの意味

今回のデザインに込められた言葉の一つが、
「Make it perfect」

直訳すれば「完璧にしろ」。
だが飯村一輝は、それを少し違うニュアンスで捉えている。

それは、チャンスを掴むための準備を整えろ、という意味でもある。

「人にはそれぞれ、多様なチャンスが訪れる。
 でも、それを掴めるのは準備している人だけ」

このTシャツを届けたい相手も明確だ。
目標がある人。
何かに向けて努力している人。
チャンスを掴もうとしている人。

キャッチコピーとして挙げられた
**「チャンスを掴むアンテナを張れ」**という言葉が、そのすべてを表している。

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■ 迷いながら決めていく、その過程もデザインになる

制作の中で迷ったポイントとして挙げられたのが、ロゴの配置だった。
アーチ型にするか、並行にするか。

完成したものだけを見れば一瞬で決まったように見えるが、
実際にはその裏側で、いくつもの選択と保留が積み重なっている。

制作時間の多くは、「考えること」ではなく
手を動かしながら試行錯誤する時間だったという。

DELIGRAPHICSが感じたのは、
このプロセスそのものが、フェンシング選手としての彼の姿勢と重なっているということだ。

考え続けるのではなく、動きながら探る。
その繰り返しの中で、最も自然な形にたどり着く。


■ もう一人の自分が、背中を押している

今回のデザインを言葉にしきれない感覚で表すと、
「支えになるような、自分をもう一人の自分が後押ししてくれるような感覚」だという。

そしてこのTシャツは、
**「主張する服」ではなく、「寄り添う服」**に近いと語る。

目標がある人、何かに向けて頑張っている人、チャンスを掴もうとしている人に届けたい。
その想いは、この「寄り添う」という在り方と自然に重なっている。

DELIGRAPHICSから見ると、この感覚は非常に象徴的だった。
外に向けたメッセージでありながら、同時に内面へ向かっている。

つまりこのTシャツは、誰かに見せるためのものでもあり、
同時に自分自身のための装置でもある。


■ 選ぶのは、最後に「もう一人の自分」

複数の案の中から最終的に一つを選ぶとき、
飯村一輝はこう考えるという。
「俯瞰して見た時の、もう一人の自分に任せる」

他人の意見も取り入れる。
だが最終的には、自分の判断基準と照らし合わせ、通じているかどうかで決める。

その根底にあるのは、変わらない一つの軸だ。
「完璧なものを求める」という癖。

アイデアが出ないときには、あえて2日間考えない。
距離を置き、リセットする。
そしてもう一度、自分の中の基準に立ち返る。

DELIGRAPHICSがこの制作を通して見たのは、
一貫して「自分の内側と対話し続ける姿勢」だった。

今回のデザインにも、その特徴ははっきりと表れている。
メインのメッセージに、サブタイトルのような言葉を添える構造。
それはまるで、
一つの考えに対して、もう一人の自分が補足をしているようでもある。


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